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組織・人材

防衛的な賃上げで利益が消える前に|儲けを増やしてから給料を上げる順番

業績が伸びないのに「辞められたら困る」と仕方なく給料を上げる守りの賃上げ。利益を残しながら賃上げするための粗利改善・価格転嫁・成果連動の順番を、中小企業の社長目線でやさしく解説します。

組織・人材

「うちは業績が伸びているわけじゃないのに、人が辞めないようにと仕方なく給料を上げている」——そんな守りの賃上げに苦しんでいませんか。世間の賃上げムードに押され、原資のあてもないまま給料だけ上がり、気づけば利益がほとんど残らない。このままでは会社が先に倒れてしまいます。

この記事では、賃上げの原資をどう作るか、お金以外で定着率を高める方法、そして賃上げ分を「一律」ではなく「成果」に合わせて配る考え方まで、無理のない順番でお伝えします。

たぬき先生

こんにちは、たぬき先生だぽん。賃上げは大事だけど、順番を間違えると会社が体力を失うんだ。今日は「儲けを増やしてから給料を上げる」流れを一緒に整理していこう。

✦ この記事の結論

賃上げは「上げてから稼ぐ」ではなく「稼いでから上げる」が鉄則です。先に粗利改善と価格転嫁で原資を作り、その上で成果に連動させて配る。さらにお金以外の定着策も併せれば、利益を守りながら人も残る会社に近づきます。

1「守りの賃上げ」が会社を弱らせる理由

守りの賃上げとは、業績の裏づけがないまま「辞められたら困るから」という不安だけで給料を上げてしまうことです。気持ちはよくわかりますが、これには大きな落とし穴があります。

第一に、人件費は一度上げると下げにくい固定費です。賞与なら業績に合わせて調整できますが、基本給を上げると翌年以降もずっとその水準が続きます。第二に、原資のない賃上げは利益をそのまま削るため、設備投資や次の採用に回すお金が消えていきます。

⚠️ ここに注意

「不安だから上げる」を繰り返すと、社員は賃上げを当たり前と感じ、感謝より次の期待が膨らみます。お金で買った定着は、もっと出す会社が現れた瞬間に崩れやすいのです。

たぬき先生

守りの賃上げは「痛み止め」みたいなもの。一時的に楽になっても、原因の業績が変わらなきゃ、また痛くなるんだぽん。

2順番が逆|まず原資を作ってから上げる

賃上げで失敗する会社の多くは、順番が逆です。「上げる→なんとか稼ぐ」ではなく、正しくは「稼ぐ仕組みを作る→上げる」です。

1

原資を生む

粗利改善や価格転嫁で、賃上げに回せるお金を先に作ります。

2

配り方を決める

一律ではなく、成果や貢献に応じて配分の設計を考えます。

3

賃上げを実行

作った原資の範囲で、無理のない金額を上げます。

この順番を守るだけで、賃上げが「会社を削る出費」から「成長への再投資」に変わります。原資という土台がないまま家を建てれば、いずれ倒れるのと同じです。

3原資を生む2本柱|粗利改善と価格転嫁

賃上げの原資は、空から降ってきません。中小企業が現実的に取り組めるのは、主に2つです。

① 粗利を改善する

粗利とは、売上から仕入れや材料費などの直接コストを引いた「会社が実際に手にする儲け」のことです。ここを厚くするのが原資づくりの基本です。

  • 儲けの薄い商品・サービスを見直す、またはやめる
  • 仕入れ先や条件を交渉し直す
  • ムダな値引きや手間のかかりすぎる小口対応を整理する

② 価格転嫁を進める

仕入れや人件費が上がっているなら、価格に反映するのは正当なことです。とはいえ「いきなり値上げ」は怖いもの。少しずつ進める工夫が要ります。

💡 価格転嫁のコツ

全顧客一律ではなく、新規や更新のタイミングから始める。値上げの理由(コスト上昇)を正直に伝える。価格を上げる代わりに提供価値や説明も丁寧にする。この3点で受け入れられやすくなります。

たぬき先生

「値上げしたら客が逃げる」って思いがちだけど、安すぎる仕事は社員も疲弊するんだよ。適正な価格は、社員を守るためのものでもあるんだ。

4お金以外で定着率を上げる工夫

そもそも「辞めないように給料を上げる」発想自体を、見直す余地があります。人が辞める理由は給料だけではないからです。むしろお金以外の不満で辞めるケースは少なくありません。

  • 評価されている実感:頑張りを見てもらえているか
  • 働きやすさ:勤務時間や休みの取りやすさ、人間関係
  • 成長や役割:任される仕事、できることが増える手応え
  • 感謝や声かけ:日々のコミュニケーション

これらはお金をほとんどかけずに改善できます。たとえば月1回の面談で困りごとを聞く、良い仕事をしたらその場で言葉にして伝える、というだけでも定着の感覚は大きく変わります。

📝 補足

給料は「不満を減らす」効果はあっても「やる気を高める」効果は意外と長続きしないと言われます。お金とお金以外の両輪で考えるのが、定着を高める近道です。

5一律ではなく成果に連動させた配り方

原資ができたとして、それを「全員一律で○円アップ」と配るのは、実はもったいない使い方です。一律賃上げには次の弱点があります。

  • 頑張った人もそうでない人も同じで、不公平感が残る
  • 翌年以降も固定費として効き続ける
  • 「上げて当然」の空気を強めてしまう

そこでおすすめは、賃上げの一部を成果や貢献に連動させる形です。

1

ベース部分は控えめに

全員に関わる底上げは、無理のない範囲にとどめます。

2

賞与や手当でメリハリ

業績や個人の貢献に応じて、調整できる部分で厚く配ります。

3

基準を見える化

何を評価するかを社員に伝え、納得感を持たせます。

こうすると、賃上げが「ただの出費」ではなく「頑張れば報われる仕組み」になり、社員のやる気にもつながります。

たぬき先生

固定の基本給は「下げにくい約束」、賞与は「調整できる感謝」。この使い分けを意識すると、賃上げが怖くなくなるぽん。

6無理のない賃上げ設計の進め方

最後に、ここまでを踏まえた進め方をまとめます。順を追って取り組めば、利益を守りながら賃上げができます。

1

現状を数字で把握

粗利率と人件費の割合を確認し、いくらまで上げられるか上限を知ります。

2

原資づくりに着手

粗利改善と価格転嫁を、できるところから始めます。

3

お金以外の定着策

面談や声かけなど、すぐできる工夫を並行で進めます。

4

原資の範囲で配分

成果に連動させた配り方で、無理のない賃上げを実行します。

⚠️ 制度活用は最新を確認

賃上げを後押しする税制優遇や助成金が用意される場合があります。ただし内容や条件は変わりやすいので、これはあくまで目安として、最新は中小企業庁や税務署など公式の情報でご確認ください。

7よくある質問(FAQ)

業績が悪くても、世間に合わせて賃上げすべき?
無理に世間に合わせる必要はありません。まず原資を作るのが先です。どうしても上げたい場合は、固定の基本給ではなく賞与など調整できる部分で対応すると、後で苦しくなりにくいです。
価格転嫁したら、お客さんが離れませんか?
安すぎる価格は社員を疲れさせ、結局サービスの質も下がります。理由を正直に伝え、新規や更新のタイミングから少しずつ進めれば、離れる客は思ったより多くありません。適正価格は会社と社員を守るものです。
一律賃上げと成果連動、どちらが良い?
両方の組み合わせがおすすめです。底上げのベースは控えめにし、賞与や手当で成果に応じたメリハリをつけると、公平感とやる気の両方を保てます。

8まとめ:儲けてから上げる、を貫く

守りの賃上げは、不安をきっかけにした出費です。順番を「稼いでから上げる」に変えるだけで、賃上げは会社を弱らせる出費から、成長への投資へと変わります。

🦝 今日のポイント
  • 守りの賃上げは固定費を増やし、利益を削る危険がある
  • 順番は「原資を作る→配り方を決める→上げる」
  • 原資は粗利改善と価格転嫁の2本柱で作る
  • お金以外(評価・働きやすさ・感謝)で定着率は上がる
  • 一律ではなく成果に連動させてメリハリをつける
  • 税制優遇や助成金は目安として最新を公式で確認
たぬき先生

賃上げは社員への感謝の形。でも会社が続いてこその感謝だ。まずは儲ける力を一歩ずつ。あなたの会社なら必ずできるぽん。

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keiei-tanuki

経営たぬき編集部。中小企業・個人事業主の「どうすればいい?」に、やさしくお答えします。

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