年収の壁が2026年に大改正|パートが働き控えしない新「130万円ルール」の対応法
2026年度の年収の壁改正でパート雇用がどう変わるかを事業主目線で解説。給与計算やシフトの組み方、従業員への説明法までやさしく整理します。
「うちのパートさん、年末になると『そろそろ働けない』って言うんだよなぁ」——人手不足のなか、こんな働き控えに頭を悩ませている事業主さんは多いはずです。実はこの「年収の壁」、2026年に向けて大きく見直しが進んでいます。この記事では、パートを雇う立場から「何がどう変わるのか」「給与計算やシフトはどう組めばいいのか」「従業員にどう説明するか」を、現場目線でやさしく整理します。
こんにちは、たぬき先生だぽん。年収の壁はちょっとややこしいけど、ポイントを押さえれば怖くないよ。一緒に整理していこうね。
2026年の見直しでは、年収の壁による働き控えをやわらげる方向で制度が動いています。事業主としては「給与計算の変更点を把握」「壁を意識したシフト調整」「従業員への丁寧な説明」の3点が鍵。制度は変わりやすいので、最新情報は必ず公式(厚生労働省・年金事務所など)で確認しましょう。
1そもそも「年収の壁」とは?おさらい
「年収の壁」とは、パートやアルバイトの年収が一定額を超えると、税金や社会保険の負担が増えたり、配偶者の扶養から外れたりする境目のことです。代表的なものを整理します。
- 100万円前後の壁:住民税がかかり始める目安
- 103万円の壁:所得税がかかり始める目安(※後述のとおり見直し対象)
- 106万円の壁:一定規模の会社で社会保険に入る目安
- 130万円の壁:配偶者の社会保険の扶養から外れる目安
このうち、働き控えの大きな原因になっているのが社会保険の壁(106万円・130万円)です。これを超えると自分で保険料を払うことになり、「手取りが減るなら働くのを抑えよう」となりやすいのです。
税金の壁は「超えた分だけ少し税が増える」程度ですが、社会保険の壁は「超えた瞬間にまとまった負担が発生する」ため、影響が大きいと言われています。
22026年改正で何が変わるのか
近年、政府は人手不足や働き控えの解消に向けて年収の壁の見直しを進めてきました。2026年に向けた主な方向性は次のとおりです(内容は今後変わる可能性があるため、最新は公式でご確認ください)。
所得税の課税ラインの引き上げ
所得税がかかり始める基準が引き上げられる方向で議論・改正が進んでいます。これにより「103万円」という数字の意味合いが変わってきています。
社会保険の加入要件の見直し
106万円の「賃金要件」を撤廃する方向など、加入のルールが段階的に変わっていく見込みです。対象になる人の範囲が広がる可能性があります。
130万円ルールの運用
一時的な収入増で130万円を超えても、すぐに扶養から外さない配慮措置などが整理されてきました。繁忙期の残業対応がしやすくなる狙いです。
大事なのは「壁の高さや仕組みが変わりつつある」ってこと。去年の常識が今年は違う、なんてことも起きるから、毎年見直すクセをつけておくと安心だぽん。
3残業代を含めない給与計算への変更点
社会保険の加入を判断する際、これまでは「基本給に各種手当を足した賃金」で見るのが基本でしたが、見直しの流れの中で残業代や賞与、臨時の手当などを含めずに判断する取り扱いが整理されてきています。これは事業主にとって実務に直結する重要ポイントです。
加入判定の「賃金」と、実際に支払う「総支給額」は別物として管理するのがコツです。給与ソフトの設定で、判定対象に含める項目・含めない項目を分けておくと、毎月の確認がぐっとラクになります。
具体的には、次のような項目を分けて整理しておきましょう。
- 判定に含める:基本給、固定的な役職手当など決まって支払うもの
- 判定に含めない:時間外(残業)手当、休日・深夜割増、臨時の賞与など
つまり、繁忙期に残業をお願いしても、それが理由で社会保険の壁を超えてしまう…という事態が起きにくくなる方向です。人手が欲しいときに残業を頼みやすくなるのは、現場にとって大きなメリットですね。
「残業代は壁に関係ないから無制限に働かせてOK」というわけではありません。配偶者の扶養(130万円)の判定は別ルールで動く部分もあり、年間の見込み収入で見られる場合があります。判定の考え方は制度ごとに違うので、混同しないよう注意しましょう。
4働き控えさせないシフトの組み方
制度が変わっても、従業員が「壁を超えたくない」と感じれば働き控えは起きます。事業主としては、安心して働ける環境づくりが大切です。
年初に「年間の見込み」を共有する
1〜12月でどのくらい働くと年収がいくらになるか、一緒に見通しを立てます。月ごとの目安を決めておくと、年末に慌てません。
繁忙期は残業で柔軟に対応
判定に残業代が含まれない取り扱いを活かし、忙しい時期は残業でカバー。基本のシフト時間は安定させると管理しやすくなります。
「壁を超えて働きたい人」の受け皿も用意
むしろ社会保険に入ってしっかり働きたい人もいます。そうした希望を活かせる役割や時間枠を準備しておくと、戦力化につながります。
「壁の手前で止まりたい人」と「壁を越えてバリバリ働きたい人」、両方いるのが現場だよね。本人の希望を聞いてから組むのが、いちばんトラブルが少ないよ。
5従業員への上手な説明の仕方
年収の壁は専門用語が多く、従業員も不安を抱えがちです。難しい言葉を避けて、生活に直結する形で伝えるのがポイントです。
「制度がこう変わりました」ではなく、「あなたの手取りはこう変わります」と本人ごとに伝えると納得感が高まります。可能なら簡単な早見表や試算を用意しましょう。
- 不安をまず受け止める:「損したくない」という気持ちに寄り添う
- 数字で示す:壁を超えた場合・超えない場合の手取り目安を比較
- 会社の方針を伝える:「無理に超えさせない」「希望があれば応援する」を明確に
なお、社会保険料は将来の年金や傷病時の保障につながるものでもあります。「保険料を払う=損」ではなく、メリットもあることを添えると前向きに考えてもらいやすくなります。ただし金額や効果は人によって違うため、断定せず「目安」として伝えましょう。
6事業主が今からできる準備
改正への対応は、慌ててからでは間に合いません。今のうちにできることを進めておきましょう。
給与計算の設定を見直す
判定に含める賃金と含めない賃金を分けて管理できるよう、給与ソフトや台帳を整えます。
パートごとの年収状況を把握
各人の年収見込みを一覧化し、壁に近い人を早めにチェックできるようにします。
専門家・公式情報とつながる
社会保険労務士や年金事務所、厚生労働省の最新情報を確認できる体制をつくっておくと安心です。
従業員の社会保険加入が増えると、会社負担の保険料も増えます。人件費の見通しに織り込んでおくと、後から「思ったより負担が…」と慌てずに済みます。
7よくある質問(FAQ)
8まとめ:壁をうまく扱って戦力を活かす
- 年収の壁は2026年に向けて見直しが進み、働き控えをやわらげる方向で動いている
- 社会保険の加入判定では残業代などを含めない取り扱いが整理され、繁忙期の残業を頼みやすくなる見込み
- 給与計算は「判定に含める賃金/含めない賃金」を分けて管理する
- 従業員には数字と方針をセットで、やさしく説明する
- 制度は変わりやすいので最新は必ず公式・専門家で確認する
壁は敵じゃなくて、付き合い方を知れば味方になるぽん。働きたい人がのびのび働ける職場は、自然と人も集まるよ。一歩ずつ準備していこうね。
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