最低賃金1,121円時代の人件費対策|固定費を増やさず賃上げ原資を捻出する5つの手
過去最大級の最低賃金引き上げで人件費が重い経営者へ。業務のムダ削減、シフト最適化、粗利改善、補助金活用など、固定費を膨らませず賃上げ原資をつくる具体策を解説します。
「最低賃金がまた上がった…。人を大切にしたい気持ちはあるけれど、このままでは利益が消えてしまう」。そんな悩みを抱える経営者の方は本当に多いものです。過去最大級の引き上げ幅が続くいま、ただ我慢で乗り切るのには限界があります。大事なのは、固定費を膨らませずに賃上げの原資をつくるという発想です。この記事では、業務のムダ取りからシフト最適化、粗利改善、補助金活用まで、すぐ着手できる5つの手を、現場目線でわかりやすくお伝えします。
こんにちは、たぬき先生だぽん。賃上げは「コスト増」と身構えがちだけど、やり方しだいで会社の体質をぐっと強くするチャンスにもなるんだよ。一緒に整理していこう。
賃上げ原資は「売上を増やす」だけでなく「ムダを削る」「人時あたりの生産性を上げる」「粗利を改善する」の合わせ技で生まれます。新たな固定費を増やさずに、業務の棚卸し・シフト最適化・価格見直し・補助金活用を組み合わせるのが王道です。なお制度や補助金の内容は変わりやすいので、最新は公式サイトで確認しましょう。
1最低賃金1,121円時代に何が起きているか
最低賃金は近年、過去最大級の幅で引き上げが続いています。地域や年度によって金額は異なりますので、自社の地域の正確な数字は厚生労働省の発表など公式情報でご確認ください。ここでは「1,121円」を一つの目安として話を進めます。
時給が数十円上がるだけでも、従業員が多い職場では年間の人件費が大きく膨らみます。たとえばパート10人が1人あたり月100時間働く職場で時給が50円上がれば、月5万円、年間60万円の負担増です。さらに見落としがちなのが、社会保険料や賞与など「時給に連動して増える費用」です。賃上げの影響は時給分だけにとどまらない、という点をまず押さえておきましょう。
利益を削るだけで賃上げを続けると、いずれ資金繰りが苦しくなります。「上げた分をどこで取り戻すか」をセットで考えることが、持続的な経営の第一歩です。
2手①:業務の棚卸しでムダな作業を削る
賃上げ原資づくりの出発点は、お金を増やす前に「使っている時間のムダ」を見つけることです。人件費は「時給×時間」。時間のムダを減らせば、賃上げしても総額を抑えられます。
1週間の作業を書き出す
誰が・何の作業に・どれくらい時間を使っているかを、ざっくりでよいので一覧にします。
「やめる・減らす・任せる」で仕分け
本当に必要か疑い、なくせる会議・二重チェック・過剰な報告書を洗い出します。
小さく実行して効果を測る
一気に変えず、まず1つ減らして現場の声を聞きながら定着させます。
「昔からやってるから」だけで続いている作業、意外と多いんだよね。一度ぜんぶ机に並べてみると、削れる時間がポロポロ出てくるぽん。
3手②:シフトを最適化して人時生産性を上げる
飲食・小売・サービス業で特に効くのがシフトの見直しです。お客さんが少ない時間帯に人が多すぎたり、逆に忙しい時間に手が足りなかったりすると、同じ人件費でも成果が下がります。
ここで意識したいのが「人時生産性」という考え方です。これは「1時間の労働でどれだけ粗利を生んだか」を示す数字で、粗利 ÷ 総労働時間で計算します。賃上げ後もこの数字を維持・改善できれば、人件費が増えても利益は守れます。
- 時間帯ごとの売上・客数データを見て、人の配置を山と谷に合わせる
- 開店準備や締め作業など「お客のいない時間」をムダなく圧縮する
- 多能工化(一人が複数の役割をこなせる)で少人数でも回るようにする
「人を減らす」のが目的ではありません。同じ時間でより多くの価値を生み、その分を賃上げに回すのが狙いです。
4手③:価格と粗利を見直して原資をつくる
コスト削減には限界があります。賃上げを続けるなら、適正な価格への見直しは避けて通れません。原材料費も人件費も上がっているのに価格だけ据え置けば、利益はどんどん細っていきます。
値上げというと客離れが怖いものですが、ポイントは「全部を一律に上げない」ことです。
商品ごとの粗利を把握する
どの商品・サービスが儲かっていて、どれが薄利かを数字で確認します。
看板商品より「ついで品」で利益を取る
目立つ目玉商品は据え置き、セット品やトッピングなどで粗利を確保します。
値上げの理由を正直に伝える
「働く人に正当な賃金を」という説明は、いまの時代むしろ共感を得やすいです。
客単価をたった50円上げるだけでも、年間の来店数を掛ければ大きな額になります。原価の見直し(仕入れ先の相見積もり、ロス削減)と合わせれば、賃上げ原資はぐっと現実的になります。
5手④:ITと補助金で効率化する
手作業を機械やソフトに任せれば、その時間を価値の高い仕事に回せます。たとえばレジと連動した在庫管理、予約・受付の自動化、給与計算ソフトの導入などです。導入には費用がかかりますが、ここで活用したいのが各種の支援制度です。
中小企業向けには、業務効率化やデジタル化を後押しする補助金・助成金が用意されていることがあります。賃上げに取り組む企業を対象にした制度もあるため、自社が対象になるかを調べる価値は十分にあります。
補助金は種類も条件も毎年変わるんだ。募集期間を逃すともったいないから、商工会議所や顧問の専門家に「うちで使えるものある?」と早めに相談するのがおすすめだぽん。
補助金は原則「後払い」で、いったん自分で支払う必要があります。また採択されない場合もあります。資金計画は補助金ありきにせず、最新の要件・金額は必ず公式サイトや窓口で確認しましょう。
6手⑤:賃上げを「制度」に変えて定着させる
最低賃金に追われて毎年バタバタ上げるのではなく、自社の賃金のしくみ(賃金テーブル)を整えておくと、計画的に対応できます。等級や評価に応じた賃金の道筋があれば、従業員も「がんばれば上がる」と納得しやすく、定着率も高まります。
人が辞めて採用と教育を繰り返すコストは、実は見えにくい大きな出費です。賃上げを前向きな投資として位置づけ、辞めない職場づくりにつなげることが、長い目で見た最強の人件費対策になります。
- 毎年の賃上げ判断がブレず、計画的に資金を準備できる
- 従業員の納得感が高まり、定着・採用にプラス
- 賃上げ支援の税制や助成金の対象になりやすい場合がある
7よくある質問(FAQ)
8まとめ:賃上げと利益は両立できる
- 賃上げの影響は時給分だけでなく、社会保険料などにも及ぶ
- まず業務の棚卸しでムダな時間を削る
- シフト最適化で「人時生産性」を上げる
- 適正な価格・粗利の見直しで原資をつくる
- ITと補助金で効率化、賃金は制度化して定着させる
- 制度・補助金・金額は変わりやすいので最新は公式で確認
賃上げは怖い話に聞こえるけど、ムダを減らして生産性を上げれば、会社も人も強くなる。今日できる小さな一歩から始めてみよう。応援してるぽん!
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