個人事業主の節税、まず何から?やさしく分かる基本のキ
個人事業主の節税は何から始めればいい?青色申告・経費・各種控除・小規模企業共済やiDeCoまで、やさしい順番で基本を解説。やりすぎ節税の落とし穴も紹介します。
お金・資金繰り「個人事業主になったけれど、税金のことがよく分からない」「節税ってよく聞くけど、いったい何から手をつければいいの?」——独立したての方も、何年かやってきた方も、こんなモヤモヤを抱えていませんか。税金は仕組みを知らないだけで、知っている人より多く払ってしまうことがある世界です。
この記事では、個人事業主が取り組むべき節税の基本を、むずかしい言葉をできるだけかみくだいて、取り組む順番までふくめてやさしく解説します。読み終わるころには「次にやることはこれだな」とハッキリ見えるようになりますよ。
こんにちは、たぬき先生だぽん。税金の話はむずかしそうに聞こえるけど、順番に押さえれば大丈夫。一緒にやさしく見ていこうね。
節税の王道は、①青色申告で65万円控除をねらう → ②経費を正しくもれなく計上する → ③使える控除をすべて使う → ④小規模企業共済やiDeCoで将来にそなえる、という順番です。むずかしい裏ワザよりも、この基本を着実にやることがいちばん効きます。
1そもそも節税とは?脱税とのちがい
節税とは、税法のルールにのっとって、合法的に税金の負担を軽くすることです。国が「これは認めますよ」と決めている制度や控除をきちんと使って、払いすぎを防ぐ。これが節税です。やましいことは一つもありません。
一方で、売上をわざと隠したり、ありもしない経費をでっち上げたりするのは「脱税」です。これは法律違反で、見つかればペナルティとして重い税金(加算税や延滞税)を取られます。両者はまったくの別物だと覚えておきましょう。
「節税」は制度を正しく使うこと。「脱税」はウソをつくこと。グレーゾーンに見えるものは、迷ったら税理士や税務署に確認するのが安全です。
節税は「正しく賢く」、脱税は「アウト」。ここをしっかり分けて考えるのが第一歩だぽん。
2まずは「青色申告」から始めよう
個人事業主の節税でいちばん最初にやるべきこと、それが青色申告です。確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類がありますが、青色申告を選ぶと、税金の計算をするうえで大きなメリットを受けられます。
その代表が「青色申告特別控除」です。一定の条件を満たすと、所得から最大65万円を差し引けます。所得が減れば、その分かかる税金(所得税・住民税)も減るというわけです。
- 事前に「青色申告承認申請書」を税務署に出しておく
- 複式簿記で帳簿をつける
- 貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付する
- 期限内(原則3月15日まで)に申告する
- e-Tax(電子申告)または電子帳簿保存で申告する
※e-Taxなどを使わず紙で申告した場合は、控除額が55万円になります。簡易な帳簿だと10万円控除です。
「複式簿記なんてむずかしそう…」と思うかもしれませんが、今は会計ソフトを使えば、日々の取引を入力するだけで自動的に複式簿記の帳簿ができあがります。手書きで苦労する時代ではありません。
青色申告の申請書には提出期限があるから注意だぽん。原則、その年の3月15日まで(新規開業なら開業日から2か月以内)。早めに出しておこうね。

3経費の考え方:何が経費になる?
経費とは、事業を行うために必要だった支出のことです。経費を正しく計上すると、その分だけ利益(所得)が減り、税金も減ります。だからこそ「使ったお金をもれなく経費にする」ことは、地味ですが効果の大きい節税です。
個人事業主の場合、自宅を仕事場にしていることも多いですよね。そのときは「家事按分(かじあんぶん)」という考え方を使います。家賃や電気代のうち、事業に使っている割合を計算して、その分だけを経費にできるのです。
- 仕事で使う通信費(ネット・スマホ代の事業分)
- 事務所や自宅の家賃・水道光熱費(按分)
- 仕事用のパソコン・文房具・書籍代
- 取引先との打ち合わせ・接待にかかった費用
- 仕事で移動した交通費・ガソリン代
- セミナー参加費や研修費
大事なのは「事業との関連性を説明できるか」です。プライベートな飲み代や私服の購入などは、原則として経費になりません。判断に迷ったら「これは仕事のために必要でしたと胸を張って言えるか?」と自分に問いかけてみてください。
経費にするには証拠が必要です。レシートや領収書は捨てずに保管しましょう。原則として帳簿や書類は一定期間(多くは7年)保存する義務があります。
4忘れがちな「控除」を取りこぼさない
控除とは、所得から差し引ける金額のこと。経費とはまた別に、個人の事情に応じて使えるものがたくさんあります。これを知らずに使わないと、本来より多く税金を払うことになってしまいます。
とくに見落とされがちなのが、自分で払った社会保険料や保険料の控除です。下の表で代表的なものをチェックしてみましょう。
- 社会保険料控除:国民健康保険・国民年金などで払った全額
- 基礎控除:一定の所得以下なら誰でも受けられる控除
- 生命保険料控除・地震保険料控除:払った保険料に応じて
- 医療費控除:1年間の医療費が一定額を超えたとき
- 扶養控除・配偶者控除:家族を養っているとき
- 寄附金控除(ふるさと納税など):寄附をしたとき
「うっかり国民年金の控除証明書を出し忘れた」というのはよくある失敗です。秋ごろに届く各種「控除証明書」のハガキは、確定申告まで大切にとっておきましょう。
控除は「申告して初めて使える」もの。黙っていても税務署が引いてくれるわけじゃないから、もれなく書いてあげようね。
5将来にそなえる節税:小規模企業共済とiDeCo
ここまでは「今ある支出や事情を申告する」節税でした。さらに一歩進んで、将来のためにお金を積み立てながら、今の税金も減らせる制度があります。それが「小規模企業共済」と「iDeCo(個人型確定拠出年金)」です。
小規模企業共済
個人事業主や小規模企業の経営者のための「退職金づくり」の制度。掛金は全額が所得控除になり、廃業や引退のときにまとまったお金を受け取れます。
iDeCo
自分でつくる年金。毎月の掛金が全額所得控除になり、運用で増えた分も非課税。受け取りは原則60歳以降です。
2つの共通メリット
どちらも「払った掛金がまるごと所得から引ける」のが大きな強み。節税しながら、将来の自分や老後の備えになります。
経費は「お金が出ていく」ものですが、これらの制度は「自分のための積み立て」。お金は手元の外に置いておくだけで、消えるわけではありません。税金を減らしながら資産も準備できる、一石二鳥の方法です。
ただし、どちらも基本的に途中で自由に引き出せないお金です。生活に必要な資金まで回しすぎないよう、無理のない掛金から始めるのが安心です。
6インボイスとやりすぎ節税の注意点
近年、個人事業主に関わる大きな変化として「インボイス制度」があります。これは消費税にまつわる仕組みで、取引先から「適格請求書(インボイス)」の発行を求められる場面が増えました。
インボイスを発行するには「適格請求書発行事業者」として登録し、課税事業者になる必要があります。登録すると消費税の申告・納付の義務が生じるため、自分の取引先やビジネスの状況に合わせて、登録するかどうかを慎重に判断することが大切です。判断に迷う場合は税理士に相談しましょう。
税金を減らしたいあまり、必要のない買い物を経費にしたり、無理に利益をゼロに近づけたりするのは本末転倒です。所得が極端に低いと、住宅ローンの審査や保育園の手続きなどで不利になることもあります。手元のお金を減らしてまでの節税は、節税ではなく「ただの浪費」になりかねません。
節税はあくまで「事業を健全に続けるための手段」。税金を減らすこと自体が目的になっちゃうと、かえって損することもあるぽん。バランスが大事だよ。
7取り組む順番まとめ
たくさん出てきましたが、いっぺんに全部やろうとしなくて大丈夫です。効果が大きく、取り組みやすいものから順番に進めましょう。
青色申告にする
まずは承認申請書を出して、会計ソフトで複式簿記。65万円控除をねらう。
経費をもれなく計上
レシートを保管し、家事按分も使って正しく経費に。
控除を取りこぼさない
社会保険料・保険料・医療費・ふるさと納税などをしっかり申告。
共済やiDeCoで将来にそなえる
余裕が出てきたら、無理のない範囲で積み立てを開始。
全部やらなきゃ、と気負う必要はありません。今年は「青色申告にする」だけでも立派な前進です。一段ずつ階段をのぼっていきましょう。
8よくある質問(FAQ)
9まとめ:今日から始める一歩
個人事業主の節税は、むずかしい裏ワザではなく「基本を着実にやること」がいちばん効きます。青色申告で控除を取り、経費と控除をもれなく計上し、余裕があれば将来への積み立ても。この順番を覚えておけば、もう税金で必要以上に損をすることはありません。
- 青色申告承認申請書を出しているか確認する(まだなら準備)
- レシート・領収書を保管する習慣をつける
- 秋に届く「控除証明書」のハガキを保管する場所を決める
むずかしく考えず、まずは一歩から。今日の宿題を一つでもやれたら、もう立派な節税名人への道を歩き始めてるぽん。応援してるよ!



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